芥子園画伝から学ぶ5

 

着彩は「岩絵の具」で、いろんな鉱物から採取したものを乳鉢ですり、水や膠と合わせて使うので、

その方法が各色ごとに細かく書いてあります。

 

『●石青(群青)人物を描くには粗い粒子の重い色。山水を描くには軽く清らかな色を用いる。

梅花片という種類のを用い、乳鉢に入れ、少しずつ水を差して細かくする。

この時、強く力を入れてすると、青粉(白群)になってしまう。

擦り終わったら時期の皿に入れ、少し清水を加える。上澄みは油子と言い、

人物の衣装を着彩するのに使う。

表面に群青、緑青を使うなら、裏面にも同色を塗る。色が豊満となる。

石青で固くて砕けないのは、耳垢を少し混ぜれば泥のように細かく研げる。沫のでる墨にもこうする。』

 

ギエー耳垢入れちゃうのお〜〜!?

 

 

『●石緑(緑青)緑質の固いものは鉄槌で撃ち砕く。石緑はガマガエルの背のような形のを用いると良い。

用い方は石青と同じ。

石青・石緑に膠を入れるときは、必ずごく薄い膠を絵具皿に入れ、清水を加え、とろ火にかけ、溶かしてから用いる。

使用後には必ず膠を取りさらなければいけない。青緑の色が損なわれるから。

取り去る方法は、熱湯少々を青緑の中に入れ、その絵具皿を熱湯の入った盆の中に置く。

この時、湯を浅く入れ、さらば浸からないように。しばらく置くと膠が自然に浮かんでくるので、上澄みを取りさす。これを出膠法(しゅつこうほう)という。

再び使う時はまた新たに膠水を加える。』